14「元宵節」2008年2月
2008年 12月 18日
朝、町の中にあるお寺に行った。由緒あるチベット仏教のお寺だが、普段は詣でている人は物好きの私以外ほとんどいないのに、この日は違った。モンゴル人であふれかえっている。町中のモンゴル人が押し寄せたようで(漢民族はあまり宗教を持たないが、モンゴル人は総じて仏教徒)、入場するためのチケットを押し合いで奪い合っている。元旦にも訪れたけど、こんなに人は多くなかった。
「この町にこんなにモンゴル人いたのか~」と感慨にふける私をよそに、友人たちは偶然会った知人たちと挨拶を繰り返しながらお香の煙と撒いたお酒の匂いで充満した境内をどんどん進んでいく。元旦と同じで、お年寄りはモンゴル服を着ているが若者はみな普段着のままだ。門前で買ったお線香と羊の油でできたローソクとカメラを手にしながら押し合いながら本堂を詣でた(マニ車を押すには並ばないといけないので省略)。仏教では左手から右手に向かって参拝するのだけど、この日はそんなこと言っていられないくらいの人出だった。
面白かったのが、最後に裏手に回って本堂の壁に自分の名前を指で書くこと。「これっていたずら書きで良くないのでは?私は自分の名前書かないでいいよ」と言う前に、すでに友人が私の名前を壁に書いていた。「ほら、書いてあげたよ麻希って!」と嬉しそうに話す友人に、私は何も言えなかった・・・。せめて分かる人の少ないモンゴル語で書いてくれればいのに、なにも漢字で書かなくても!
お寺に参拝した後は朝食を食べに蒙古早点を食べに行った。内モンゴルに住んでずいぶんたつというのに、モンゴル人様式の朝ごはんをはじめて食べた。内容は塩の入ったナイチャー(ミルクティー)と餃子の形をした表面を焼いた肉まん。具はにらと豆腐とでんぷんで、うまい!
町中で爆竹の音が鳴り響いている。夜にも催し物があるのだという。夜に控え、一度家に帰った。
そして、夜7時。町中で花火が鳴り響き、町の象徴、体育館前にはさまざまな形の「紅灯」(1メートルから3メートルくらいのオブジェの中にライトが入ってる)が設置されている。とても綺麗だ!やはりすごい人手でみんなで羊の串焼きを食べながらこの美しい光景に見入った。「もう寒いから帰ろう」と思う頃にはちょうど、祭りのフィナーレで体育館から大きな花火が上がった!本当に美しい鮮やかな花火で、心に深く焼きついた夜だった。
そのあとは例によってまた宴会。酒を飲んだり、肉を食べるのもこの日でおしまいかと思うと名残惜しく感じた。こうして正月の催し物はすっかり終了し、次のお祭りは8月、モンゴル人の夏祭りナーダーム節を待つしかない。学校が休みに入ってすでに1ヶ月。アラシャン滞在を満喫した濃密な1ヶ月間だった。そろそろ仕事モードに切り替えて、かわいい子供たちと美術の時間を楽しみたいと思う。
写真はモンゴル式の餃子。