画材は、高い。
2009年 01月 09日
画材は高い。
油絵の具は値段の高いものと安いものでは歴然と仕上がりの出来栄えがちがう。
だから受験時代や大学時代は、たかい絵具を湯水のように使っていた。今ではなくなってしまったかもしれないけれど、カドミニウムレッドやパープルは本当に色がきれいだった。
絵具は、買いたての新品のふたを開けた時がなんとも楽しい。これからどんな絵が飛び出るんだろうと、うっとりする。色は何もせず、ただそこにあるだけがこんなにも美しい。
今日描いたGONDOLA社のソフトパステル66色入り、5000円くらいする。
WINSOR&NEWTON社の固形透明水彩48色入りもやはり5000円くらい。クサカベ社の透明水彩絵の具チューブ入り36色は3000円くらいだろうか。VAN GOGH社の固形透明水彩24色入りはメキシコで買ったけど、数が少ないのに高かくてやはり5000くらい。
他にも三菱色鉛筆36色入り、TERNER社ポスターカラー18色入りにあくる24色セットなどなど。その上、油絵の具やアクリル絵の具、インクなどの描写道具に、パネルやキャンバス、スケッチブックなど支持体がある。
絵画は「タダみたいな材料で、画家が描けば高価な宝石」という。たしかにゴッホの絵がいくらで売れるか、画材費用はいくらだったかを考えればそうだろう。でもゴッホにとっては画材費は大変な負担だったろうし、ゴッホおよび周りの援助があって、今日私たちは宝石以上の価値をもつ絵画を見ることができる。
絵具は単なるお遊びで使えるような代物ではない。
よほどの祈りや信念がないと使えるような負担では、ない。楽器もまたそうだろう。安い楽器など存在しないし、美しい音を出す楽器はそれだけ高価だ。昨年中国アラシャンで購入した馬頭琴も中国レベルの作り方のくせに3000元、およそ5万円もした。でもプロとは元手をかけてもどれだけそれで多くの人を喜ばせ、多くの人を喜ばせた代償としてどれだけの収入を得るか、だ。
どんなに美しい材料がそろっていようとも、どんなに美しい完成図が頭の中にあろうとも、それを表現しないかぎり、それを表現しきる技術がない限り、それは本来の価値をとても損なってしまう。
何が言いたいかというと、「だから努力しなきゃ」っていうお話でした。ちゃんちゃん。