面子
2011年 01月 26日
きっかけは、ラフターヨガ愛好家のつばささんから水野南北という江戸時代の観相家の話を聞いたからだ。良い相の顔とはどんな顔だろう?どんな顔の人を見ると「あの人はお金を持っている」と思われるだろう?どんな顔が「幸せそうだ」と思われるだろう?
通りすぎて行く人々の顔をひたすら眺めて過ごした。目の前を通り過ぎた人はおそらく200人以上。午後の3時頃とあって、女性が多い。男性は仕事中の体の人がほとんどだ。不思議なことに、通りすがる人全員がみんな同じような表情をしている。決して幸せそうではない。
お金持ちの相を持っていそうな人は、きちんとした身なりと髪型をしていて、身だしなみに時間と注意を払っている人達。女性はピンヒールにスカート。みんな細身で髪は長め。実際のお金持ちはもっとラフな格好をした人が多いと思うが、「そう見える」だけでもそれなりに持っている人達だろう。
次は、幸せそうな相の人。なかなかいない。
あ、目立つ人がいた。笑顔の人だ。
30分間に見えた笑顔の人はたった4人だった。
1人目:中学生の男の子。一人でニヤニヤ。
2人目:若い外国人の女性。連れの日本人男性は夫だろうか?素敵な笑顔。
3人目:携帯電話で話している年配の男性。
4人目:若い女性。同僚らしき連れの男性に向かって笑顔。
結局、人相のいい人とは笑顔の人ではないかと思った。
この日、中国の大学で建築を教えている沖中さんに会った。
中国人の面子メンツについての話を聞き、中国人の対応について、いくつかの失敗に思い当たった。
日本で中国人のお世話をした時に、彼らのメンツを考えたことあっただろうか?今後もしまた中国要人と接することがあれば、彼らのメンツを立てることを何よりも最優先しよう、と思った。
沖中さんは、昨年中国で中国のために活躍する外国人に対して中国政府から贈呈される、「友誼賞」を受賞されたとのこと。領土の問題で7割の日本人が「中国人嫌い」と言っていた昨年末まさにその時(ついでにいうならば私が中国人対応で失敗し日本嫌いな中国人をふやしていた時)、沖中さんは、やはり反日感情高ぶる中国で「中国の良き友人だ」と認められ、非常に栄誉ある賞を受賞した。本当にすごいことだ。
「面子メンツ」、「相」、結局どれも同じ。
沖中さんと別れ一人コーヒーを飲みながら、そんなことを思ったのだった。