親父の涙
2011年 12月 15日
浅田麻央のお母さんが亡くなったニュースで、鬼の親父が泣いている。男は年を取ると涙もろくなるというのは本当らしい(母が泣いてるのは兄の葬式以来見た事無いから)。
昔の事を語り出す。
父が朝鮮半島から引き上げてきた戦後間もない頃、長崎ではずいぶんと弱い物いじめがあったようだ。黒人兵との間のハーフ、朝鮮人、そして朝鮮からの引揚者がいじめの対象だった(と父は思っている)。「嫌んなっちゃうよ。命からがらに日本に帰って来たのに、『朝鮮に渡った奴らは金稼ごうと思って好きに渡ったんだ。命を失ったって自業自得だ』とかいうんだもん。」子供心ながらに「好きで親父は朝鮮に渡った訳ではないし、自分も好きで朝鮮で生まれた訳ではない」と思ったようだ。いじめられないよう必死に空威張りしてたようだ。
一家は必死に”引揚者”であることを隠したらしい。だから”引揚者”という言葉がうちのなかででるようになったのは、祖父母が亡くなったつい最近のことだ。差別はいろんな形があると思うが、今の日本ではなくなっていると信じたい。
最近、中国、韓国、日本との関係がぎくしゃくする事が多い。自国民の利益だけを重んじる中国、そんな中国とうまくやらねばならない日本と韓国、競り合う日本と韓国。
隣国なのだから、摩擦が起きて当然のことと思う。私にも韓国人、中国人の友人がいるし、これだけ交流が盛んなのだもの。でも兄弟喧嘩をしたところで、その関係がかわる訳でもない。仲良くやっていく術を身につけるしか無い。摩擦を乗り越える努力と未来への展望で乗り切れるはずなのだ。
写真、中国高校生のホームステイ先のとあるお母さんが用意していた、コミュニケーション用ボード。こういう「寄り添おう」とする気持ちがお互いにあれば、三国喧嘩しなくてもすむと思うんだけどなあ。