らくちん旅行
2012年 03月 21日
新百合ケ丘から足利へ行くのは、神奈川県ー東京ー埼玉ー栃木と県をいくつかのりこえなければならず、やっぱりそれなりに遠い。携帯と混雑を恐れる母が一緒なので小田急ロマンスカーや東武鉄道の特急や高速バスなどを利用して行くことになる。鉄男さん鉄子さんならうらやましいかもしれない。
おかげで一日のうちに特急と高速バスのシートの比較ができた。う〜ん小田急ロマンスカーは内部はお洒落だがシートは狭く固い。東武鉄道の特急のシートは乗り心地いいけど、JR高速バスがシートは最高。
病院に行くと、看護婦さんたちが名前で伯母に声掛けてくれていた。うれしくなる。オムツ交換をしてくるのは若い男の子で、汗をいっぱいかきながらやってくれていた。意識は取り戻していないのに、車いすにのせたり、お風呂に入れてくれたりリハビリもしてくれている。本当にありがたい。
「穂積ちゃん、もう十分寝たでしょう?そろそろ起きてよー。くすぐっちゃうよ」と母が伯母の脇の下をくすぐる。びっくりすることをしでかす母だけど、腕が動いていたからいいのかもしれない。手術の後頭部がふくれあがっていてかわいそうだったけど、この日はもとの伯母らしい顔をしていた。看護士さんが車いすにのせてくれたので、談話室に連れて行き、マッサージしながら話しかける。伯母が目さえあければ、まるでおしゃべりしているかのような光景だ。
世界で一番善良な人である伯母。普段乗る事のない特急でらくちんな旅をしていると、「らくちん旅行できるのはきっと穂積ちゃんのおかげだね」と母と言い合うのだった。