ゲシュタルト崩壊
2012年 06月 06日
デザイナーは0.2ミリ程度で全体紙面のバランスを見ている。1%単位でCMYKの色のバランスを考え、色のミスがないかチェックしてもいる。だけど自分でものを産み出す彼ら、文字のチェック機能だけは鈍くなっている。なぜか?コナンでも紹介されていたけど、目の錯覚である「ゲシュタルト崩壊」が起きるからだ。簡単な文字でも何度も何度も何度もその文字を拡大して見ていると次第に文字として識別できなくなってくる。見れば見る程、ミスはデザイナー自身で見つけられなくなる。
印刷してしまったミスほどデザイナーを責め立てる材料はない。どんなに美しくバランス良く配置されていても、テキストのミスは致命的。時間と労力と、それにかかった多大なお金が、ケチつけられてしまう。これでへこまない人はいないだろう。私も何度も泣いたなあ。
そんなミスが起きないよう印刷物を発行する際は大勢の人々がチェックする仕組みにどこでもなっている。デザイナーは泣きつく。「あっちゃいけないけれど、ミスはあると思ってチェックしてください」でも他人がそれらのミスを見つけてくれることはほとんどない。担当者が責任をもってその仕事を遂行すべき、とみんな思っているからだ。デザイナーはつらいよ!