「契丹 草原の王朝」展を見て来た
2012年 07月 30日
昨年9月、九州博物館でも展覧会が開かれていて、見に行かれない事をとても残念に思っていた。東京で展示されるのを知って、非常に非常に楽しみにしていた展覧会。
日本が平安時代を送っていた頃、大陸の草原にはモンゴル系の民族「契丹」が治める「遼」という国家があった。今の中国東北部からモンゴル共和国とタジキスタンにおよぶ、広大な草原の帝国だ。
「トルキ山出土」と書いてあるが、場所が何処だか説明がない。漢民族の中国語でもモンゴル族の使うモンゴル語でもない、妙にトルコや中東を彷彿させる。ロマンは否応無しに高まる。
こちらは出土した、王族夫婦の墓。銀のブーツに金の冠。死後の世界も繋がる手。こんなにロマンチックでかわいい遺体を見た事がない。発想がかわいすぎる〜!
展覧会の出品作品はすべて中国内蒙古自治区の省都フフホトにある「内蒙古博物院」(内蒙古博物館は2007年に新しい建物に引っ越しし、位をあげなんと「院」になっていた!笑)、通遼市、赤峰市から来ている。
壁が全面仏像の彫刻がほどこされていて希有な美しさを誇る「慶州白塔」。本で見て「いつか行きたい」と思っていた慶州白塔は、契丹の遺跡だった!場所は内モンゴル自治区 赤峰市寧城県白塔子村。赤峰(せきほう)市!受け入れたことのある中国高校生たちの故郷!知ってればもっと仲良くなってたのに〜〜〜(泣)
慶州白塔から出土した菩薩像の頭部がたいへんにきれいだった。西夏王稜でみた菩薩にとてもよく似ている。
契丹と遼については人民網(中国の有名な新聞)の日本語版のこちらがくわしい。「遼・金王朝 千年の時をこえて 第19回」
1000年前の棺や食器や装飾品は、金銀や宝石真珠を使い、豪華絢爛。
鳳凰、龍、牡丹、蓮、怪魚マカラの模様。どれもこの地には、いなかったはずの動植物が生き生きと表現されている。
どれも素晴らしかったが、私が一番気に入った作品は、この壺。
水等を入れる皮袋(羊等の内蔵を覆っている大きな皮膜を使ったもので、外の温度に影響されにくく保存に適している)を模ししている。庶民の日常品を、王様達はお洒落に使ってるのがニクイ(笑)!
草原の風と遺跡からロマンが流れて来たのでした。通遼市!赤峰市!行きた〜〜〜い〜〜〜〜
ちなみに「天馬の血族」(竹宮恵子)という草原大河ロマン漫画がある。作者は「モンゴルをテーマにした展覧会で非常に感動し、牡丹と龍の物語(中国の天子とモンゴルのハーンの物語)を描きたいと思った」と何かで読んだ。牡丹と龍、確かに契丹にもあった!