東博の近代美術がすごい
2012年 11月 12日
今、やはり日本画伝統のこの”グロさ”を松井冬子さんが引き継いでいて人気があるけれど、どういう時に人はグロさを求めるのだろう?明治につくられた根付も大正時代に描かれたこの速水御舟の「京の舞妓」もグロい。
20年前のバブルの頃には現代美術がもてはやされた。昭和の高度成長期には岡本太郎や棟方志功やマティスや印象派など、アートを愛する余裕が社会にあった。お金があるから、それ一枚だけでなく他の絵も集める事ができるから、比較的単純な絵もきちんと評価されるというわけだ。作品すらもほとんど形を残さないコンセプチュアルアートすら認められていた。
それに対し、今みたいな不景気だと説明的なものが好まれる。理屈をつけて相手を納得できる作品が。大正時代ってどうだったんだろう?
こちらも、やたらと主張する黒田清輝の静物画。
「のびのびしていて、ユーモアさえ感じていいな」と思うと前田青邨の作品。
ラグーザの「日本の婦人像」もでている。近日中にガイド原稿を書かなければならない作品なのだけど裏側もみることができた。「原型は芸大にある。近代美術館のために鋳造する。」みたいな事が書かれていた。へえ〜。そうだったのか。
これから近代美術については勉強するのだけど、”時代の勢い”というものを私も作品にどう入れていこうか、考える。