日本の近代美術って。
2012年 11月 27日
「(作品に対する私の興味が薄いせいか)あんまり私も見た覚えがないです。インフォメーションに聞くと展示予定を教えてくれます。ラグーザの”日本の婦人像”ならよく出てますが、絵画は彫刻と違って展示期間は本当に短いし、他の美術館に貸し出しする場合もあるから、必ずしも毎年同じ時期に展示されているというわけではないと思います。」
「ラグーザよりも碌山の方がずっと良いよ。あなた達ボランティアさんはここで作品を毎日見てるんだから、作品に対する見方も日々変化するでしょ?そういう話をガイドで聞きたいのに。」
東博で入り口付近で立っている時の、お客さんと私の会話。
ロクザンって誰だっけ?あとで調べて分かった。萩原守衛のことだった。それにしても恐るべし、東博の近代美術ファン。やっぱり詳しい方が多そうだ。
ボランティア仲間と近代美術の勉強をすることになった。というか私が教えてもらっている。権力と画壇のつぶし合いがあった明治から昭和にかけての日本の近代美術。作家として「つぶす、つぶされる」「利用する、引き立ててもらう」の世界には絶対に関わりたくないけど、彼らの作品はなるほどある種の魅力に満ちている。それは気概、野望、権力、卑屈さ、未練といってもいいと思う。
明治に西洋的彫刻を日本にもたらしたラグーザとその妻お玉について調べ終わった。玉については、自分と重ねて考えてしまうので、なんとなく酸っぱいイメージが残る。このアーティスト夫婦の生き方についてはそのうち記事にまとめようと思う。
写真、東博の本館で熱心に近代美術作品を鑑賞する人々。これほどじっくり鑑賞されれば、展示担当者も所蔵者も作者も満足だろうなあ。