梶田半古「春宵怨図」の謎解き
2013年 01月 08日
facebookで1枚の絵のについて友人と大いに盛り上がった。
春宵怨図の謎解き
この絵は、18室に展示中の梶田半古の絵です。京鹿子娘道成寺から取ったとも聞きましたが、この女学生の怨みはなんなのでしょうか?
私はこの女性、お腹が出ているので妊婦さんかと思いました。でも題箋には女学生と。それと、彼女が持つ青い手帳(本?詩集?)の表紙には六芒星がついています。どなたか分かる方、謎解きをおねがいします。
「道成寺なら、デートの約束をしたの来なかった安珍に対する清姫の恨みが”怨”なのでは?でも、どうして新春のめでたい時期にこんな絵飾るんだろう?」「このほどけ掛かっている帯が私も気になった。てっきり妊娠させられた女学生が、目の前の枝で首を吊る、昼ドラのような展開だと思っていた。」「清姫は蛇に変化する。蛇と巳年にかけているのでは?」「安珍は、清姫蛇に焼き殺されるのに??」「五芒星や六芒星は安倍晴明が有名だけど、呪いにも使われていたらしい。」「▲は蛇の鱗として使われた模様らしい。だから六芒星も蛇を暗示しているのでは?」「鏑木清方が同じタイトルで描いてる。けっこう明治の作家は道成寺関連の絵を描いてるみたい。なんでだろ?」
「そもそも道成寺の物語から、人々は何を学べばいいの?」「女の恨みはこわいじゃない。」「僧侶は女に近寄ると身の破滅を招くぞとか。」「男上位の社会だったから、女を軽くあしらっちゃいけないぞ、とか。」
「道成寺と京鹿子娘道成寺は別ストーリーだよ。」「梶田半古は挿絵画家として成功したから、説明っぽいはず。この作家有名じゃないけど、弟子がスゴイ。小林古径、前田青邨、奥山土牛。小林古径が実力者だったから博物館に師匠の絵を買わせたんじゃないかな。」「この枝は何を暗示してるんだろう?」「やっぱり首を吊るのかな?」
事実はこの際どうでもいいが(いや、知りたい!)、知的な謎解きごっこで、みんなが楽しい時間を過ごした。趣味のあう仲間って貴重だ!(笑)