黒田清輝と乙女心
2013年 02月 28日
乙女心ユサッユサ♪ 舞妓さんは男性の事が本当に好きなんだと、ウットリ。きっとかなわない恋。僧が話す、高倉天皇と女房の悲恋の話を聞きながら、舞妓は自分に身を重ねて聞いているのが切ないっ
別の20代女子。
学生の頃本でこの作品を見て、胸ずっきゅん♡ 男性の肩に回した手と隠れて後ろでつなぐ手が切ない!
え?だって「お客さん」でしょ?「狙った男は絶対逃さない」的な商売執念を感じて気持ち悪くない?と思ったけど、かくゆう私も学生の頃、黒田作品で「ドキッ胸きゅん♡」したのだった。その作品は、黒田清輝「婦人像(厨房)」1892年(藝大所蔵)。
「労働の合間のにモデルになってもらったのだろう。質素な服装、乱れた髪。労働に従事する手。すこし照れた表情。夕飯の支度の前の時間なのか、午後の柔らかな紫色の光り。黒田はマリアを愛しく思っていたのだろう。寒くなったか、マリアの肩には、黒田が日本から着ていった学ランが掛けられている。黒田は書き残していないが、この二人の親しい間柄が想像される。」
私も、自分のことを好きな男性から学ランを肩に掛けられてみたかった(笑)!!
この作品は相当大きくて、描かれている人物は等身大。まるで本物の女性が目の前にいるようだ。彼女への溢れるばかりのまだ若い黒田の憧れや想いが伝わって来る作品で、黒田清輝の作品の中で一番好きな作品だ。
黒田はマリアを何度か描いている。以後のマリアは、黒田を意識して美しく装っている。どれも日常の中の一こまを切り取ったかのような、二人の愛のアルバムだ(なぜ彼女は黒田の子供を妊娠しなかったのかな?)。