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12「中国の子供」2008年1月

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大家、新年好!
気がつくと2008年になってしまった今日この頃、1月は中国の1学期末でもある。

新学期を向かえた9月にも、夏休み前に比べて子供たちは成長したなと思ったが、1学期を終えた学期末の今、彼らの成長は本当に目覚しい。身長が伸びただけではなく、多くのテストを通り愛国教育が進んだ4年生たちはすっかり子供っぽいところがなくなって表情も大人っぽくなり、大人のように礼儀正しく行動するようになった。私の小学校は5年生までで、6年生からは中学校だ。そのため4,5年生は「もうすぐ卒業」という意識があって、4年生の彼らをこうも大人っぽくさせてしまう。

今回は一人の児童について書き綴りたいと思う。
任期の途中で任地の変更をした私は、昨年6月にここ第二実験小学校へ配属された。その後すぐ夏休みになり授業をもてないため、校長の配慮で夏休み中に美術講習会を開くことになった。その時参加した、新学期から4年生になるぽっちゃりした、ボーズ頭の少年が王啓融である。

私の美術講習会に参加した子は大体二つのタイプに別れる。
1、本人が美術が好き。2、子供を外国人の先生に習わせることがステータスだと親が考えているため、のどちらかだ。彼の場合は明らかに2で、彼の両親は美術を習わせるためよりも、将来出世するための勉強にお金を費やすタイプであった。しかし私が外国人であったために「日本人と接するのも悪くない」と王啓融を美術夏期講習会に参加させたのであった。一般に、中国人の子供に対する期待度は日本に比べて段違いに高いが、その中でも王啓融の両親の子供に対する期待は「常に無駄なく、誰よりも優秀に、常に誰よりも前に立つ」ことで、テストの点数が悪いと時には父親にぶたれ大きなあざを顔に作ってきた。

中国では、機会の平等性よりもリーダー格の人材を育てること、どんな環境にいても周りの人間と良い関係を作ることが優先される。そのため学級と担任は1年生から卒業するまで変更しないし、学級張は5年間ずっと学級長である。王啓融も学級長であったが、性格は誰よりもいたずら大好きないわゆる「悪ガキ」であった。

王啓融はとても元気で聡明な子である。彼は教師の言う内容を(もしくはたどたどしい中国語を)理解するのが誰よりも早いからから、じっとできない、黙っていられない。他の子が発言している時に大きな声で妨害したり、自分の作品がうまくいかない時は大きな奇声をはりあげ、しかるとすねて机の下にもぐってしまう。控えめに表現しても、手を焼く子供である。その上、他の子に対する影響力が強かった。

小学校のどの児童も、両親の大きな期待に答えよう、大学に絶対合格しようと必死に毎日勉強している。その姿はいじましいほどだ。なかでも優しく素直な王啓融は親の期待に答えようと自分を厳しく抑えていた。この半年間の彼の変化は目を見張るものがあった。悪ガキで自分をコントロールできなかった彼が・・・
今でも素直な心は変わっていない。「僕は僕の日本人の先生、マーシー老師が大好き!美術も大好き、特に図工が好き。だって絵を描いてる時よりも先生がたくさん接してくれるから。」なんて抱きしめたくなるくらいかわいいことをいう小学校4年生の男の子王啓融にこれからも目が話せない。

彼の将来の夢はお医者さんになって世の中の人のために働くことだという。いかにも教育された夢だけど、でも私は切に願う、将来、彼の夢がかなえられますようにと。

写真は遊牧民の子供。
Commented by office-maki at 2009-03-01 23:43
写真は、2008年9月に撮影したモンゴル族の遊牧民のおばあちゃんと孫です。この日は羊の毛刈りで私もテントにお邪魔した。
by office-maki | 2008-12-20 18:18 | ★JICAブログ2008 | Comments(1)

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by office-maki
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