ブアイソウな日
2010年 03月 25日
武相荘。白洲次郎と正子が暮らした家だ。↓
「雨の日で、むしろ風情があるのではないか」
という予想は大当たり。人も少なく、観光バスもちょうどおらず、雨にぬれた敷地内の様々な椿の花と樫の木が雨にぬれて美しい。↓
あちこちに次郎が作った箱や棚(シラスの文字は次郎が抜いたもの)や、かき氷を作ったであろう機械などが無造作に置かれている。↓
屋敷の中は温かく、亡き主人の温もりを漂わせていて、全てが美しく保たれている。そこに共通するのは、高級なものではなくて、気にいったものを求めていった主人の好みだ。↓
正子の実家である樺山家から送られたという京雛も飾られていた。たいそう豪華なお雛様で、この家の主人が上流階級の流れをくんでいることを伺わせる。↓
正子の書斎もとても風情があり、大事に使われた聖域であった。正子が着ていた着物の布をはった装丁の正子の著書がいたるところに飾られており、主人の好みを伝えている。↓
カフェでお茶をした。正子好みの器を用いていて豪華。↓
今は山はなくなってしまった鶴川だけど、つい最近まではこんな山奥だったのだ。↓
正子は、古いもの、人に大事にされてきたものを好んで集めたという。
それだけあって、それほど広い場所ではないにも関わらず、家に着いた時には3時間以上が過ぎていた。展示されている茶碗や布、家具などの一つ一つが見ごたえがあったからだろう。それぞれの物が白洲邸にあることを喜んでいるようにも感じた。
家に帰ってからも母といろいろ語り合った。とても余韻の残るひと時だった。