ヘンリー・ダーガー展が良かった
2011年 05月 09日
ヘンリー・ダーガー。いわゆるアウトサイダー系の1973年に亡くなったアメリカ人作家。生涯自分の楽しみのために、自分で物語を創作し、その挿絵を描いた。たいへん膨大な量を。
物語のあらすじは、大人の男だけが統治する世界では、大人の男たちが子供を殺したり虐待している。それに対抗する7人の少女達。Vivian girlsと呼ばれる。Vivid(色鮮やか)、vida(生命)とかけた命名のようで、作者自身を投影しているようだ。その証拠にこの少女達にはおちんちんが描かれている。
説明書きでは「南北戦争の影響を作者は強く受けていた」とあるが、暴力表現が圧倒的に多い。なのに性的な表現がないのがおもしろい。いつまでたっても作者は子供のままの心を持っていたと見える。
好き嫌いはおいておいて、彼の世界観には圧倒される。一見の価値は十分にある。
ラフォーレミュージアム「ヘンリー・ダーガー」展は5月15日まで。