ピアニスト室井摩耶子さんが素敵!
2012年 09月 13日
昨日は、テレビで91歳の現役ピアニスト室井摩耶子さんが紹介されていた。彼女のすごい所は、楽譜に書かれた曲の理解。番組の中ではベートーヴェン「月光」を「”大勢の人が集って話をしている、1人、また1人部屋から人が去ってゆく、最後には静寂だけが残る”...そんな情景をベートーベンはこの曲で描いているのだと思う。余韻が残るでしょ。
音楽家は単に音の設計図として楽譜を書いたわけじゃない。楽譜は、音で描かれた詩であり、戯曲である」と話していた。室井さんのトークコンサートに行きたいと思い、チケットを購入しようと電話をしてみたがずっと話し中。チケットは買えそうにない。残念!
昔、井形景紀先生が教えてくれたことを思い出した。
バッハの楽譜は、音だけでなく楽譜までもが、神へ捧げる絵画である。例えばマタイ受難曲では、十字を表した音階、涙がしたたる様子、またはユダが投げ捨てた金貨が石畳を転がってゆく様子を楽譜の上でも絵として表現している。
イエスの死後の人々の信仰を歌う場面では、人々が実際に船出をする様子、海の上で船が波に揺られている様子が曲で表されている。
芸術や作品と向かい合うこととは、その作品に描かれているものを通じて「作者が何を表現しようとしたか」を知ろうとすること。
技術や材料を解説することではない。
自分の作品の上でもそう思う。来週仏像のボランティアガイドをする。楽譜の上の音符についての説明ではなく、曲の解説をするようにしたいものと思うのだった。
強調する箇所の多い記事になった。他人の事についてよりも自分の作品について熱く語れるようになんなきゃなあ。