根付を見に東博へ!500点以上の根付がそろう
2012年 11月 11日
場所は狭いから、「どんな風に展示するのかな?」と思っていた。展示場に行って納得。ただ並んでいた。「うわっ雑っ!」とも思うけど、壮観でもある。
懐玉斎正次の蛤もあった。当時はお大名がもったであろう、たいへん高価で細かい細工ものだ。だけど高価そうにみえない。なにせちっこいから(笑)。
現代根付の方が丸っこくつるつるした印象。分かりやすい。古根付の方は、不思議な感じ。結構グロテスクなものを好んだようだ。子犬などのかわいいものもあるけれど、乙女や花など「万人がかわいいと思うもの」はあんまり江戸人たちには好まれなかったようだ。
当時の人は、こんな細かい立体物をどうやって彫ったのか?「手にもってよく見たいね。」という声が見学者からも聞こえる。なにせどれも小さいから、よく見えない。大きな画像が貼ってあったらいいのに!
どれもかわいかったが、この根付が気に入った。こかわゆい。現代根付のひとつ。
東博の根付<郷コレクション・高円宮コレクション>展示は12月9日まで。
展示会場は
①古根付(郷コレクション)本館1階の14室
②現代根付(高円宮コレクション)本館2階の特別2室
③現代根付(高円宮コレクション)本館2階の高円宮コレクション室
④古根付(その他?)本館2階の10室ガラスケース
1階12室の蒔絵もとても良かったので、あわせてどうぞ♪特に記事を書いていませんが、開催中の中国の至宝展では三星堆遺跡(目玉の飛び出た銅製彫像)がぐるりと360度みれたり、出雲展では多くの出土品がみれたりととても良かったです。本館11室の仏像も特に優れた仏像を展示しているし(名品選)、18室の近代美術室では、竹内栖鳳などの目玉作品がめじろおしでした。かなりお得な博物館です。下の写真は、最近芝におかれるようになった韓国の彫像。
話がそれるが、ムッシュがロンドンで購入した象牙の古根付を見せてくれた。かわいい子犬で、アワビの上に足をかけている。口の中も彫られていて、裏から見るとアワビの裏側まできっちりと彫られていた。それなりの金額(私の絵だったら1ヶ月かけて制作した作品の金額くらい)したそうだけど、根付師はこんな細かいものをどうやって彫ったのか本当に不思議。
すっかり忘れていた。私も根付みたいな宝物を持っていた。湖南省で教えていた時の生徒が切れないナイフで落ちていた木の枝で彫った仙人像。今も大事に飾っている。これを彫った男の子は16才の紅顔の美少年なんだけど、さすが美術系男子。彫った仙人のお顔は円空の仏像のようにおおらか。